
猫にはかかりやすい病気がいくつもあります。
それらを事前に把握しておくことで、適切に予防できたり、対処できたりするものです。
そこで今回は、猫が罹りやすい病気の症状と原因、そして対策をまとめました。

少しずつ追加するのでたまにチェックしてみてください!
▼ 動物病院一覧
目次
猫の顔まわりの病気一覧
結膜炎
症状 | ・目が充血する ・目ヤニが出る ・目を頻繁にこする ・まぶたが開かなくなる |
原因 | 猫ウイルス性鼻気管炎のような、猫特有の風邪症状として出ることが多い。そのほか、目に異物が入ったり、ほかの猫との喧嘩で目が傷ついたりもある。 |
対策 | ウイルス感染の場合は、感染症ワクチンの接種で予防できる。感染後は動物病院で治療を受けたのち、自宅では目薬での対処が中心となる。なお、多頭飼いの場合には、ほかの猫にうつさないよう隔離しておく。 |
角膜炎
症状 |
・涙をよくこぼす |
原因 | 目の角膜が炎症を起こしている。猫同士の喧嘩や、家具のささくれ(トゲ)が刺さるなどして目を傷つけていることが多い。そのほか病気で発症することもある。 |
対策 | ささくれ(トゲ)のような異物がある場合は、動物病院にかかり取り除いてもらい、自宅では目薬での対処が中心となる。なお、感染症やそのほか病気が原因の場合は、原因となる病気の治療もあわせてする。 |
緑内障
症状 | ・瞳孔がいつも開いている ・目が大きく飛び出してしまう |
原因 | 眼の傷、そのほか病気などで眼の圧力バランスが崩れて眼圧が高まり、網膜や視神経などを圧迫している。放置していると、失明してしまう可能性もある。 |
対策 | 原因に合わせて動物病院で処置してもらう。原因となった病気によっては、手術になることもある。 |
外耳炎
症状 | ・耳の中が赤く腫れている ・耳アカや耳ダレがでる ・耳の中が臭う ・耳をかゆがっている |
原因 |
細菌やカビなどが耳の中で増殖したり、ダニのような寄生虫が原因で、外耳が炎症を起こしている。 |
対策 | 綿棒で耳アカや耳ダレを取り除き、消毒したのち、原因に応じて動物病院で処方された薬を使用する。耳を清潔に保つのと、定期的なチェックで予防できる。 |
鼻炎
症状 | ・鼻水やくしゃみがでる ・粘り気のある鼻水がでる ・呼吸が苦しく、口が開いている |
原因 | 主に猫ウイルス性鼻気管炎による、猫風邪。そのほか、細菌感染やハウスダストアレルギー、刺激の強い臭いなどで症状の現れることもある。 |
対策 | 動物病院にかかり、原因を特定したのち、適切に処置してもらう。なお、ハウスダストアレルギーが原因の場合は、環境の改善が必要となることもある。 |
副鼻腔炎
症状 | ・膿のような鼻水がでる ・鼻が詰まり、呼吸が苦しそう ・鼻筋が腫れている ・食欲が落ちている |
原因 | 鼻炎が悪化して、副鼻腔(鼻の奥にある空洞)まで症状が進行している状態。においを感じられなくなるため食欲がなくなり、体力が低下することもある。 |
対策 | 動物病院で抗生物質を処方してもらう。重症化している場合は、鼻を切開手術することもある。鼻炎を早期発見と早期治療して、悪化させないことで予防できる。 |
歯周病
症状 | ・歯ぐきが赤く腫れる ・歯茎から出血している ・よだれや口臭がひどくなる ・歯が抜けてしまう |
原因 | 食べかすが歯垢や歯石となり、細菌が増殖し、歯肉が炎症を起こしている。症状が悪化すると、歯を支えている骨が溶けて、歯が抜けることもある。 |
対策 | 動物病院で歯垢や歯石を除去してもらい、炎症を抑える薬を処方してもらう。発症すると、完治は難しい。日ごろから歯磨きし、清潔にすることで予防できる。 |
歯の吸収病巣
症状 | ・フードが食べづらそう ・歯垢や歯石が付着している ・歯ぐきが腫れている ・口臭が強くなっている ・よだれが多く出ている |
原因 | 永久歯を侵食している病気で、骨を溶かす細胞(破骨細胞)が異常増殖している。原因は解明されていない。中年期から発症例が増え、高齢になるほど増加する。 |
対策 | 進行すると、強い痛みをともなうので早期発見が大切。歯周病があると発見しづらい病気なので、子猫のうちから歯磨きを習慣化し、口腔内を清潔に保つ。 |
猫の皮膚・被毛の病気一覧
アレルギー性皮膚炎
症状 | ・足で身体をかく・なめる ・湿疹やかさぶたができる ・毛が抜けやすくなる |
原因 | ほこり・かび・花粉などアレルゲンに反応したアトピー性皮膚炎が多い。また、ノミに寄生されることで、ノミアレルギー性皮膚炎の可能性もある。 |
対策 | アトピー性皮膚炎の場合は、原因となるアレルゲンをつきとめて、環境を改善する。ノミアレルギー性の場合は、環境内での徹底したノミ駆除しかない。 |
疥(かい)せん
症状 | ・しきりに頭をかく ・顔や耳のふちの毛が抜ける |
原因 | ヒゼンダニが猫に寄生し、かゆみや炎症を起こしている。激しいかゆみ、炎症を引き起こすため、悪化すると出血したり、化膿したりすることもある。 |
対策 | 動物病院にかかり、猫に寄生しているヒゼンダニを駆除する外用薬、内服薬を処方してもらう。また、室内を清潔に保つとともに、外からダニを持ち込まないよう、描き主は野良猫との接触を避けるようにする。 |
皮膚糸状菌症
症状 | ・小さな円形の脱毛が見られる ・脱毛のまわりにかさぶたや、フケができる |
原因 | 皮膚や、毛にカビが繁殖したことで、脱毛症状が引き起こされている。猫の免疫力が落ちていたり、体力が低下していたりするときに発症しやすい。 |
対策 | ほかの犬や猫との接触から感染することが多いが、人(飼い主)からうつることもある。動物病院で抗真菌薬を投与してもらうほか、室内を徹底的に掃除する。 |
猫座瘡
症状 | ・下あごの毛が抜ける ・黒いボツボツや、赤い斑点ができる |
原因 | 猫のニキビ。食事の脂肪分が多すぎたり、逆に少なすぎたり。また、皮膚の汚れ、猫のストレスなどにより表皮の細菌が増殖することでも起きることがある。 |
対策 | ニキビの部分を消毒や、薬用シャンプーで清潔に保つ。原因にもよるが、適切な食事を与え、身体を清潔に保ち、ストレスの少ない環境づくりで予防できる。 |
猫の消化器系の病気一覧
胃腸炎
症状 | ・水のような下痢をする ・トイレの頻度が増える ・激しく(連続して)吐く ・脱水症状が見られる |
原因 | 腐りかけた食べ物や、冷たいものを食べたとき、食べ過ぎたときなどになりやすい。猫汎白血球減少症のウイルスに感染している可能性もある。 |
対策 | 動物病院にかかり、点滴で水分や栄養を補給しながら、投薬で治療する。その後は、ワクチンで感染予防し、フードや水の与え方などに注意する。ただし、一度発症すると完治せず、慢性化することもある。 |
毛球症
症状 | ・食欲が著しく落ちる ・吐くそぶりをするが何も出ない ・便秘がひどくなる ・お腹を触られるのを嫌がる |
原因 | 本来、猫は毛づくろいして摂取した毛は、毛玉として吐き出すか、便として排出されます。このバランスが崩れ、胃に毛が溜まることで発症する。 |
対策 | 動物病院にかかり、毛玉を排出しやすくする薬を処方してもらう。ただ、重症の場合は、手術が必要なこともある。その後は、ブラッシングをこまめにして、猫が飲み込む毛の量を減らすことで予防できる。 |
慢性の便秘(巨大結腸症)
症状 | ・便秘がつづいている ・食欲が落ちている ・吐くことが増えた ・脱水症状が現れている |
原因 | 腸機能が低下し、排便の力が弱まっている。先天的な障害のほか、事故での肋骨の骨折や、腸周辺の腫瘍などが原因となっていることもある。 |
対策 |
排便の状態を把握した上で、浣腸や下剤で排便を促して上げる。発症すると完治は難しいが、バランスのいい食事や、適度な運動で症状は緩和できることがある。 |
巨大食道症
症状 | ・フードや水をすぐに吐く ・体重が減り、衰弱していく |
原因 | 猫では非常に珍しい病気。通常よりも食道が広がり、食べ物を胃まで送りこめなくなっている。生まれつきの異常のほかに、食道関係の病気も考えられる。 |
対策 | 病気が原因の場合は、その病気が完治すれば治ることが多い。先天的な異常の場合は、流動食をはじめ、適切な対処により少しずつ改善することがある。 |
腸閉塞・腸重積
症状 | ・激しい腹痛がある ・食欲が落ち、衰弱している ・繰り返し吐いてしまう ・脱水症状が現れている |
原因 | 腸が何らかにふさがれ、内容物がお腹に溜まっている。異物の誤飲が多いが、腫瘍の可能性もある。腸管に別の腸管が重なり(腸重積)、腸閉塞を起こしていることもある。 |
対策 | 動物病院にかかり、何が腸をふさいでいるのかを突き止めたのち、開腹手術で異物を取り除いたり、腸を正しい位置に戻したりする。 |
脂肪肝
症状 | ・食欲が落ち、睡眠時間が長くなる ・歯茎や目などが黄色くなる(黄疸) ・吐いたり、下痢したりする |
原因 | 肝臓に脂肪細胞が溜まっている。肥満や糖尿病によることが多い。肥満気味の猫が数日間、絶食したときにも起こりやすいとされている。 |
対策 | 動物病院で肝機能を高める薬を投与してもらう。バランスの取れた食事も、治療には欠かせない。 |
気管支炎・肺炎
症状 | ・吐くような仕草をよくする ・高熱が出る ・胸を触られるのを嫌がる ・呼吸が速くなる(荒くなる) |
原因 | 猫ぜんそくやウイルス、細菌に感染して発症する。呼吸困難のような重症が現れているときは、進行が速く、命にかかわるのですぐ治療を開始する必要がある。 |
対策 | 動物病院で抗生物質の投与や、蒸気吸入器で治療してもらう。猫風邪を早期発見・早期治療するとともに、ワクチンを接種することで予防できる。 |
膿胸
症状 | ・呼吸が荒くなる ・横向きを嫌がる ・舌や歯ぐきが青紫色になる |
原因 | 胸腔に穴があいて、細菌が侵入し、海が溜まっている。猫同士のケンカや事故による傷、気管支炎や肺炎などで激しい咳をしたときにもなることがある。 |
対策 |
動物病院で針で膿を抜いてもらうか、手術で胸腔内を綺麗にしてもらう。感染症のようなほかの病気があると再発しやすいので、早期発見が欠かせない。 |
猫の泌尿器系の病気一覧
尿路結石
症状 | ・トイレで排尿できない ・尿に結晶が混じっている ・尿に血が混じっている |
原因 | 猫は水を飲む量が少なく、色の濃いおしっこや、結晶のようなものは出やすい。とくにオス猫は尿道が細く、結晶で尿道を傷つけることがある。 |
対策 | 動物病院にかかり、尿道にカテーテルを入れて、結晶を膀胱に戻し、療法食で結晶を抑える治療をする。また、自宅では対策用フードを選び、猫が水を多く飲めるように環境をつくることで予防できる。 |
急性腎障害
症状 | ・食欲が落ちる ・排尿の量が減る ・激しく吐く ・脱水症状がある |
原因 | 細菌感染や、事故などで腎臓そのものに異常があったり、心筋症や下部尿路症候群などほかの病気で腎機能が急激に低下していたりする。 |
対策 | 進行が速く、早期の治療が欠かせない。体内の有害物質が排出できずに、尿毒症まで発症している場合には、動物病院にかかり治療してもらう。原因が明確で、適切に対処すれば十分に完治する見込みはある。 |
慢性腎臓病
症状 | ・水を飲む量が増える ・食欲が落ち、体重が減る ・激しく吐く ・体温が低下する |
原因 | 腎臓の細胞が徐々に壊れていき、正常に機能しなくなる。初期症状ではわかりづらく、気づいたときには進行していて、手遅れになっていることも多い。 |
対策 | 完治することはない。獣医指導のもと食事療法や、投薬により症状を遅らせることになる。高齢猫が発症しやすいので、尿はこまめにチェックしておくといい。 |
膀胱炎
症状 | ・頻繁にトイレするが、おしっこはあまり出ない ・おしっこに血が混じったり、白く濁ったりする ・トイレのときに痛がる |
原因 | 膀胱に炎症が起きていて、おしっこが溜まっていなくても尿意を感じている。膀胱内に結石や結晶ができたり、細菌感染したりして起きることが多い。 |
対策 | 原因によっては、動物病院での治療が必要になる。悪化すると完治が困難になることもあるので、早期治療が欠かせない。猫が水を飲みやすい環境づくりと、定期的なおしっこのチェックで予防できる。 |
猫の寄生虫による病気一覧
回虫症
症状 | ・食欲はあるのに痩せる ・吐いたり、下痢したり ・貧血ぎみ |
原因 | 猫の腸に回虫が寄生し、栄養分を吸いとられている。回虫の卵が猫の口から侵入すると感染するとされ、卵の多くは母猫の母乳に卵が含まれている。 |
対策 | 回虫に寄生された猫には、動物病院から処方された薬を投与し、体内から回虫を追い出すことができる。 |
条虫症
症状 | ・おしりをかゆがる ・食欲が落ちる ・吐く・下痢する |
原因 | ノミを媒介して運ばれる条虫や、猫がネズミのような小動物を食べたときに寄生される条虫がいる。 |
対策 | 動物病院で内服薬を処方してもらい、体内の条虫を駆除する。また、室内のノミを徹底的に駆除し、猫が小動物を食べないようにすれば感染予防できる。 |
猫の内分泌系の病気一覧
糖尿病
症状 | ・大量に水を飲むようになる ・食欲はあるのに痩せていく ・吐く・下痢する |
原因 | 膵臓から分泌されるインシュリン(ホルモン)が不足し、血中の糖分濃度が高くなっている。肥満やストレスのほか、感染症などで発症することもある。 |
対策 | 獣医師の指導のもと食事療法と、インシュリン注射で血糖値を安定させる。また、体重をコントロールして肥満を防ぎ、定期的な尿チェックで早期発見する。 |
甲状腺機能亢進症
症状 | ・急に活動的になる ・水を飲む量が増える ・食欲はあるのに痩せていく ・吐く・下痢する |
原因 | 首のあたりにある甲状腺が腫れ、新陳代謝をうながす甲状腺ホルモンが異常に分泌されている。身体の動きが異常に活発化し、負担がかかりやすくなる。 |
対策 | 動物病院で手術を受けるか、ホルモンの分泌を抑える薬を投与する。初期症状はわかりづらく、とくに高齢猫に発症しやすいので行動の変化には気をつけたい。 |
猫の感染症による病気一覧
猫伝染性腹膜炎
症状 | ・食欲が落ちる ・吐く・発熱がある ・貧血ぎみ ・胸やおなかが膨れる |
原因 | 猫コロナウイルスによる感染症で、腹膜の炎症のほか、腎肝臓や腎臓の障害がおきることも多い。胸やおなかに水がたまり、痙攣や麻痺がおこることもある。 |
対策 | 発症すると完治は難しい。現状、ワクチンもなく、確実な予防法もない。管理しきれない数の多頭飼いは控えて、猫にストレスのない環境を心がけるのがいい。 |
トキソプラズマ症
症状 | ・とくに症状はなし |
原因 | トキソプラズマに感染した猫の便から感染する。 |
対策 | 動物病院にかかり、薬を投与してもらう。普段からほかの猫、ネズミや小鳥などの小動物との接触を避けると、トキソプラズマに感染する可能性を減らせる。 |